コーシャ認証の選び方

適切な認証機関を選ぶ

あなたの会社特有のニーズに応えてくれる、適切なコーシャ認証を見つけるにはどうしたらよいでしょう?

コーシャ認証に関して必要なことを地元のラビ評議会が計らってくれるビジネス環境にいらっしゃるのでなければ、さまざまな認証の長所を比較しようとして、きっと当惑なさることでしょう。コーシャ認証団体のすべてが同じであるわけではないのです!

このプロセスでは、弁護士・財務顧問・事業の要となる社員などを選ぶ際に用いるのと同じようなやり方で取り組むことが非常に大切です。つまり、手をぬかないということです! 適切な質問をし、コーシャ市場に存在するすべてのオプションを検討することで、のちのち不愉快な思いをしたり、余計な費用がかかったりといった事態を避けることができるかもしれません。

まず始めに…

さまざまな認証団体と面接したり、その長所・短所を検討したりし始める前に(すでに認証を受けており、変更を考えている場合も同様です)知っておかなければならないのは、信頼がおける団体は、あなたの会社に対する信用だけに基づいて製品を認証することはない、ということです。

その他の多くのことに加え、コーシャ認証機関は以下のことを要求します:

  • 工場視察
  • 製法・設備の徹底的な見直し
  • 原材料の出自に関する詳細
  • 製品のコーシャ認証に関連した書類等を検討する許可

コーシャ認証機関が、「信用」に基づいて認証を発行してくれると期待するのは、現実的ではありません。さらに、もしラビや個々の団体から、書面によるやりとりだけに基づいて認証を発行すると言われたら、そのような認証が広く受け入れられることはないと、ただちに疑わなければなりません。他の信頼がおける団体は、そのような認証の有効性をおそらく認めないでしょう。このため、認証プロセスを最初からやり直さなければならなくなる可能性があります。それが不愉快な経験であることは、言うまでもありません。

よくあるご質問

ある認証がどれだけ広く受け入れられているかを判断するには、どうしたらいいでしょうか。

まず、あなたの得意先や卸売り業者、または類似品を販売している会社に、特定の認書に関してどんな経験があるか、問い合わせてみることをおすすめします。

また、あなたの製品を販売している、または将来そうしたいと考えているさまざまな都市の、地元のラビ団体と連絡をとりましょう。その都市でカシュルート(食物の清浄規定)を監督するラビが、自分の会衆の間でどの認証がもっとも人気があるかを教えてくれるでしょう。どのコーシャ認証団体も、それらの都市でカシュルートを監督しているラビの名前・電話番号を教えてくれます。

顧客の好みが地域毎に異なり得ることは、すでにお気づきのことでしょう。また、アメリカやヨーロッパの都市に住むコーシャ消費者は、別の地域のラビ団体の認証を受け入れないかもしれません。そのような場合は、全国的または国際的な影響力があり、そのマークなら世界的に受け入れられると思われる認証団体を選ぶことが大切です。世界的な評価を得ている団体ですら、100%受け入れられるわけではありません。自分たちのラビによる認証を主張する小グループが、常に存在するためです。もうひとつ考えなければならないことは、その認証が、日頃からコーシャ認定商品を求めているイスラム教徒やセブンスデー・アドベンチスト、またはベジタリアンのグループらに受け入れられるかどうか、という点です。

その認証団体から、どのようなサービスを期待できますか。

認証の受け入れ度に加え、考慮中の認証団体が、どのようなレベルのサービスを提供してくれるかについても注意しなければなりません。

その団体は、あなたのニーズに対し、どれくらい速やかに応えてくれるでしょうか。あなたが調味料会社の社長であり、あなたの得意先がコーシャ認定の調味料を至急必要としているとします。その認証団体は、決められた期間内にサービスを提供するのに十分で適切なスタッフを抱えているでしょうか。コーシャ認定の原材料を手に入れるのがむずかしい状況にあるとき、その原材料の適切な供給先を見つける手助けをしてくれるだけのリソースを、その団体は持っているでしょうか。電話で質問したり、承認を受けるため新しい原材料を提出したりするとき、妥当な時間内に答えをもらえているでしょうか。

遠方から仕入れる原材料が認証を必要とする場合、その団体は、手軽に製造施設を検査できるカシュルート専門家を世界中に抱えているでしょうか。それとも、その遠方の施設に自分たちのスタッフを送る必要があるため、コストがかさみ、製造が遅れるという事態を引き起こしているでしょうか。

あなたの得意先が、ある原材料のコーシャ認証ステイタスに関して問題ありとする場合、認証団体自ら、その製品を認証するラビと連絡をとり、誤解を解消したり、あなたの製品が得意先の要求するコーシャの必要条件すべてにかなうよう取り計らってくれたりするでしょうか。

その団体は、マーケティングに関する助言も提供する用意があるでしょうか。あなたの製品をコーシャ消費者に紹介する手助けをしてくれるでしょうか。または、コーシャ市場に精通した卸売り業者の名前を教えてくれるでしょうか。

その認証団体は、どんなスキルを提供してくれますか。

認証団体が、特定の業界についてどれだけのスキルと知識を持っているかを調べることが大切です。例えば、あなたがクエン酸やアミノ酸などの化学製品を製造しているならば、最初に工場を視察するラビが工業用発酵について精通しているかどうか、確認しなければなりません。そうでなければ、知識不足のせいで、スムーズな認証プロセスに支障をきたすこととなるでしょう。

バター・チーズ製造所や飲料製造工場、パン工場、缶詰工場などに認証を発行するラビは、これらの各業界で一般的に使われているテクノロジーとシステムについて、基本的に理解していることが必要です。ラビの中には、認証する業界について経験をもたないため、最終製品のコーシャステイタスに影響しないような新しい工程や原材料の使用を、誤って禁止する人たちがいます。

その認証団体が、認定する企業へ提供するサービスについて、本当に熱心に取り組んでいるかを判断するためには、このような質問をしなければなりません。その特定の団体から認証を取得したすべての会社の詳細リストを渡してくれるよう、ラビに頼みましょう。そしてそのいくつかに電話して、その団体から受けているサービスのレベルに他の会社が満足しているかどうかを判断しましょう。

交渉条件
コーシャ認証条件の交渉中はそれほど明白ではないかもしれませんが、あとからたいへん深刻な問題となり得る点は、原材料の供給者がコーシャ認証を取得する必要があるかどうかを事前に知っておくということです。もしその供給者がすでに認証を取得しているなら、その認証は信頼に足るものでしょうか。ほとんどの場合、信頼がおける団体は、他の信頼がおける団体の発行した認証を受け入れますが、この原則には多数の例外があります。あなたの供給業者のあるものが問題となる場合に備えておかなければなりません。あなたには、その認証団体が100%誠実であり、もしあなたの供給業者の一部を否定することがあれば、筋の通った説明を提供してくれるものと期待する権利があります。もしその団体が納得いく説明を提供できなければ、どこか別の団体を探し始める必要があるというサインかもしれません。

手数料
コーシャ管理に対して請求される手数料に関しては、かなりのばらつきが見られます。これは名のとおった、大手の団体間でも同様です。特定の料金構造について理解することは、必要な時間と手間をかけるだけの価値があります。

さまざまな団体から見積書をとることをおすすめします。年間手数料・旅費の返済・場合によっては日当・初回視察手数料などについて、あらかじめ尋ねておきましょう。STAR-Kでは、販売量に基づいたコーシャ認証の手数料請求に強く反対しています。そのような場合、認証団体は依頼主のパートナーとなり、「自己認証」となってしまうため、正当とは認めがたい、というのが私たちの意見です。

見積もり額が妥当とは思えない場合は、あなたの交渉力を発揮してみましょう。認証団体は、一定の条件下において、通常料金をある期間割り引く用意があるものです。コーシャ市場を試してみてから認証を維持するつもりがあるか決断するオプションを提供してくれる可能性もあります。

最後に、必要な準備をすることの重要性を繰り返し強調したいと思います。コーシャ認証団体と契約を結ぶ前に、その団体の長所と短所の両方を理解しておくことが大切です。認証契約書にサインする時、コーシャ家族の一員となりつつあると感じ、その団体があなたのために働いてくれると感じるなら、あなたは正しい選択をしたということを意味します。